乳幼児向けに販売されているカネ増製菓が製造元の「かぼちゃとにんじんのやさいパン」を食べた赤ちゃんが窒息して死亡する事故が起き話題になっています。ネット上では、メーカー側ではなく、与える側に責任があるのでは?との声も多く挙がっています。事故の詳細や製造販売者の対応、世間の声などについてまとめました。この記事は、新たな情報が入り次第随時、追記・更新がされます。
乳児向けパン窒息死亡事故「かぼちゃとにんじんのやさいパン」
赤ちゃんが食した後、窒息して死亡する事故が起きた問題の乳児向けパン(カネ増製菓製造)の写真は以下の通りです。
商品名は「かぼちゃとにんじんのやさいパン」で、内容量は70g(上記写真左)と45g(上記写真右)があります。2商品で2020年は計約190万袋を出荷した人気商品です。
※内容量88gのビッグサイズもあります。
パン1個の大きさは一口大で縦約2・5センチ、横約3・5センチ、厚さ約2センチです。
上記の「かぼちゃとにんじんのやさいパン」を赤ちゃんが食べて窒息するという事故は2件起きており、内1件は死亡事故となっています。
カネ増製菓の説明によると、45g入りパッケージには最初の事故当時、表に対象月齢を「10カ月頃から」と記載し、裏には「お願い」事項として、
・のどに詰まらせないために子どもが横になっているときやおんぶしているときは与えないこと
・月齢はあくまで目安
・うまく飲み込めないことがありますので、(中略)必ず大人の方が注意してあげてください
などと書かれていました。
乳幼児以外にも食べてほしいとして、70g入りの商品にはこれらを記載していなかったとのことです。
さらに、カネ増製菓のホームページでは、原材料に関する詳細な情報が公表されています。
各原材料の配合比率、原産国、遺伝子組み換えの有無まで細かく明記されています。
国民生活センターの調査結果
国民生活センターは、調査結果として「ほかの製品と比べ、硬さや大きさの面でのどに詰まるリスクが高かった」とコメントしています。
調査に関わった、武蔵野赤十字病院口腔外科の道脇幸博歯科医師も
「口の中にいれると唾液を吸ってふくらみ、とけにくかった。硬く弾力性もあり、歯が生えそろっていない乳児がかむには難しい製品だった」と指摘しています。
厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」は、生後9~11カ月の乳児に与える食事の目安を「歯ぐきでつぶせるかたさ」としていますが、消費者庁によると、乳児向け食品の形状などに関する国の基準はないとのことです。
事故後のカネ増製菓株式会社の対応
今回の窒息死亡事故を受け、カネ増製菓株式会社は2021年2月の製造以降、表に対象月齢を表記せず、
「かみきる力の弱い乳幼児や高齢者の方などが、1個丸ごと口に入れた場合に『のど』に詰まらせるおそれがありますのでご注意ください」という記載に変更しました。
また、裏面の「お願い」も赤字で「1歳頃からご使用いただけますが、月齢はあくまで目安」「上手く飲み込めないこともありますので、飲み込み終わるまで必ず注意して見守ってあげてください」などと変更しています。
商品は現在も全国のベビー用品を扱う店や通販サイトで販売されているようです。
カネ増製菓株式会社は来年1月頃を目処に、パンを軟らかくし、1個の大きさを縦約3・5センチ、横約6センチの「口の中に1個丸ごと入らないサイズ」に変更する予定です。
さらに、小さく割れるように、パンに切れ目を深く長く入れるとのことです。
従来品の賞味期限は45グラム入りが180日、70グラム入りが90日となっていますが、回収は行わず、順次新商品に切り替える方針とのことです。
昨年の2020年6月に日本小児科学会から死亡事故の指摘を受け、カネ増製菓株式会社は事態を把握しました。
2件目の事故発生後に国民生活センターから聞き取りや商品の問題点の指摘があったと説明しています。
カネ増製菓株式会社の社長は
とコメントしています。
「かぼちゃとにんじんのやさいパン」製造元・カネ増製菓株式会社
「かぼちゃとにんじんのやさいパン」製造元の「カネ増製菓株式会社」の所在地は〒586-0017 大阪府河内長野市古野町8番3号です。
以下、周辺地図画像です。
アクセスは、南海高野線・近鉄南大阪線の河内長野駅から徒歩5分です。
創業は1890年(明治23年)4月、1951年(昭和26年)5月に「カネ増製菓株式会社」が設立されました。
カネ増製菓株式会社は2019年に大阪版食の安全安心認証を取得しています。
カネ増製菓は「品質を確保することが何よりも重要である」と考えている方針の会社で品質の安全性に重きを置いていることが伺えます。
放射能検査、アレルギー検査、細菌検査なども徹底して行っているようです。
乳児向け野菜パン窒息事故に関するネットの反応
乳児向け野菜パン窒息事故に関するネットの反応についてまとめました。
コメントの多くが、「商品自体に問題はなく、製造したメーカーが悪いということではないのでは?」
「与える側が責任を持つことが重要なのでは?」などという意見が目立ちました。
「原材料に拘っていて、子供に安心して食べさせることのできるパンで普段お世話になっているから無くならないで欲しい」と切望する声も多かったです。
乳児向け野菜パン窒息事故に関する新たな情報が入り次第随時、追記・更新していきます。(続く・・・)
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